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ずくなしの気ままに 花・山

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2006年 09月 13日

七倉岳山行記(前編)

会に入会以来、初めて月例山行に参加した。
山行の目的は、ランプの山小屋としてその筋では有名な「船窪小屋に泊まろう」と言うもの。初参加と言うことで、いろいろ不安も有った。歩きのペースについていけるか?とか・・・・そのためカメラも最小限、ボディと14-54のみ、三脚も持たなかった。
先々週、テントを担いでそれなりにきついドンドコ沢を登っている。今回は小屋泊まり、荷はずっと少ないので何とかなるだろうとは思っていたのだが。
さて、どうなりましたことやら・・・・・

9月9日、第一日(船窪小屋到着まで)
午前5時15分、天気予報では今日・明日はまあまあの予報、しかし、少しムッとする湿気を感じながら車に乗り込んだ。集合地点へ向かう途中、コンビニで昼の弁当を仕入れ、さて準備万端?と自問・・・・忘れ物は無さそう。
今日のメンバーは7名、女性3名男性4名、Hさん夫妻・Kさん夫妻・Aさん・HTさん・そして僕。リーダーはH夫人。
集合地点で車2台に分乗し、大町の七倉ダムを目指す。
七倉岳山行記(前編)_f0076683_17584079.jpg
7時10分頃七倉山荘前の駐車場に到着。
既に沢山の車が止まっている。船窪小屋は小さな小屋らしいが「ギュウギュウ詰めは嫌だなぁ」などと考えながら靴を履き紐をしめた。

7時35分、登山計画書を投函し、指導所の前を通過、ゲートをくぐる。
どんな登山になるか、大きな期待と不安が少々。七倉沢に掛かる立派な橋を渡る。正面には高瀬ダムへ向かうトンネル。
橋を渡りきったところで右に折れ、林道をしばらく沢に沿って進む。緩やかに登る道筋には青い菊が咲いていた。
数分歩いたところで登山道の入り口、沢を離れ、いきなり道が急になった。Aさんを先頭に僕は3番目、風もなく蒸し暑い樹林帯を登る。ペースは、一人で歩いている時より少し早い気もするが、付いて行けない程ではない。小一時間ほど歩いたところで、後のリーダーから「広いところで一休みしましょう」と声が掛かる。少々きつくなっていたのでホッとした。
8時20分ころ、送電線保守道との分岐のところで10分ほどの小休止。
汗を拭う。水を飲もうとザックのサイドポケットからぺットボトルを取り出すと、なんと水が入っていない!・・・・・・登山口で水を入れようと思っていてすっかり忘れていた。ウーム・・・・またドジを踏んでしまった。もっともこんなことも有ろうかと、ザックの中のポリタンには水が有るので事なきを得たが、なんとも情けない。

8時半、再び歩き出す。広葉樹・針葉樹の入り混じった樹林帯、相変わらず急な登りがしばらく続き、9時頃1500mほどの尾根に出た。
道がなだらかになりヤレヤレ。10分ほどそんな道が続き少し下った後、再び急登が始まった。いよいよ梯子が現れ、さらに道が急になる。しばらく登ったところで船窪の小屋主さん達数人が、登山道や梯子の補修作業をしていた。「ご苦労様。」僕らの前にも結構沢山人が入っているらしい。さらにしばらく行ったところで今日はじめて下山者とすれ違う。「まだまだ、これからだよ~」「ガクッ!!」「もう少し行くと岩小屋、休むには良いよ」「ホッ!!」彼らの言葉に一喜一憂。確かに少し行くと、大きな岩の下に雨宿りに良さそうな空間と、岩室のある場所に出た。9時25分ここで小休止を取る。
シャツは汗で既にびっしょり、蒸し暑い。Hさん持参の凍らした巨峰のおすそ分け、甘さと冷たさが口に広がる、美味い生き返った感じがする。
9時35分、行動再開。
周囲は広葉樹が姿を消し、背の高い針葉樹の林に変わっている。所々、急坂を避けるためか、旧道が荒れたためか、新しい登山道がつけられていた。まだふかふかとして作られたばかりのようだ。
七倉岳山行記(前編)_f0076683_17593447.jpg相変わらずの急登が続くが、10時頃だろうか1800mほどのところで一旦緩やかになった。Hさんの話ではこの後さらにきつくなるとのことで、その前に小休止を取った。
ここまでは遅れることなく付いてこられた。苦しいが、いつもそんなに楽チンな登山ではないので、こんな物だろう。だが、前後の人たちは・・・・なんと・・・・談笑しながら登っているではないか。ウーン・・・僕にとってはそれなりにきつい登山も、彼らにとっては低山ハイクの乗りなのかもしれない。
まあしかし、ここまではまだ良かったのだ。写真を撮る余裕も有った。

休憩を終え、再び歩き始める。少し下った後いよいよ鼻突き八丁の急登が始まった。はじめはペースを保っていたが、梯子を数本、そしてちょっと長い梯子を登った辺りで、少し目まいがし、肩がずっしり重くなる。貧血気味?急に足が前に出なくなってしまった。前について行けない。後の人に前に出てもらう。この後、天狗の庭まであまり細かい記憶が無い。少し歩いては立ち止まりを繰り返し、ほとんど無意識で登っていたように思う。パーティも僕にペースを合わせてくれたのだろう、さらに2回ほど休憩を取ってくれた。そうした非常に苦しい急登も、突然のように樹林帯から抜け出し周囲が明るくなる。11時45分、天狗の庭に到達した。
                 (天狗の庭にて)
七倉岳山行記(前編)_f0076683_18132.jpg
ここで40分ほどの大休止を取る。
上空は綺麗な青空だが、山々は雲がかかり見晴らしは利かない。残念ながら、下の高瀬ダムや、正面に見えるという槍ヶ岳は見ることが出来なかった。皆は食事を摂ったようだが、僕は食欲が出ない。それでもおにぎりをかじってみたが、ぼそぼそして喉を通らない。山で物を食べられなくなったのは初めてだ。仰向けになりウツラウツラして時間をすごした。

12時25分、天狗の庭を出発。
見晴らしの良い明るい稜線をしばらく登る。それまでの急登とは違うが、相変わらず足は前に出ない。本隊には先行してもらい、後からゆっくり登る。Hさんが後に付いてくれ、励ましてくれた。15分くらい登ったところで、道が尾根の東側をトラバース気味にアップダウンするようになり、体がだいぶ楽になった。周囲をみる余裕も出来始め、お花畑の花に気を配れるようになる。ウサギギク・チングルマ・ウメバチソウ・リンドウなどが目を楽しませてくれた。
                 (立山連峰)
七倉岳山行記(前編)_f0076683_181561.jpg
そうして足を進めるうち、尾根を西側に乗越すと、針ノ木や立山が姿を見せ雄大な光景が眼前に広がっていた。苦しかっただけに感動も大きい。
                 (針ノ木岳)
七倉岳山行記(前編)_f0076683_1822010.jpg
そこからは少し下り気味に歩いて、1時ちょっと過ぎ、目的の船窪小屋に到着した。
                 (船窪小屋)
七倉岳山行記(前編)_f0076683_1833062.jpg
暫しの休息後、男性3名は少し恐いと評判の水場へ水の補給に出発。少し遅れて女性軍もその後を追う。僕はバテバテで水汲みを免除してもらい、小一時間仮眠を取る。仮眠が効いたのか大分回復したので、カメラを持って小屋の周囲を散策した。
                  (七倉ダム)
七倉岳山行記(前編)_f0076683_184512.jpg
3時半過ぎ頃、全員が揃ったところでお茶の時間。水場は本当に恐かったそうだ。その後夕食まで、三々五々時間をすごした。
             (七倉岳より、針ノ木岳を見る)
七倉岳山行記(前編)_f0076683_1842537.jpg
さて、途中僕が大ブレーキになってしまったのだが、7時35分に七倉山荘を出発、船窪小屋に着いたのは13時ちょっと過ぎ、都合5時間半ほどで登ったことになる。昭文社の山と高原地図のコースタイムでは6時間である。天狗の庭での大休止40分を小休止10分に置き換えると、5時間程度で登ってしまっている。鼻突き八丁以降のペースダウンを考えると、さらに10分から15分短縮できるかもしれない。
仮に僕が参加していなかったら、6時間のコースタイムに対し、4時間45分程度で登っている可能性が高い。
急登を談笑しながらの歩き、山のベテランはやはり凄い!!と言わざるを得ない。しかも、今回のメンバーには僕より数年の年長者が2人おられる。僕にとっては驚きであるとともに、ものすごい励みでもある。

by zukunasi_7 | 2006-09-13 18:12 |


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