ずくなしの気ままに 花・山

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2007年 07月 17日

火打山(その1)

7月7~8日、火打山へ行ってきた。
今回は会のメンバーの計画に便乗。男女5名のパーティーだが、最高齢70歳を筆頭に若くても40代後半という、今流行の中高年登山隊である。この中では僕もまだ若手、ペースについて行けず「いゃー、年だから!」という言い訳は通用しない。遅れをとらぬよう気合を入れた。
当初は中央アルプス南駒ケ岳の予定だったが、天気予報が芳しくなく、北のほうが天気が多少でも良さそうと言うことで、上越の火打山に変更になった。

7月7日
午前5時20分、家を出る。空は曇って周りの山はほとんど見えない。
広丘駅前のコンビニでおにぎりを調達。待ち合わせのNさんを拾って集合場所へ。
6時過ぎ、松本市内の集合場所を出発。2台に分乗、高速道路を使って一路妙高インターへ向かう。
途中、姨捨でトイレ休憩を取りさらに北上。北へ向かうにつれて曇り空がだんだん明るくなってきて、計画変更は正解だったと思える。
しかし、信越国境は遠い。北アの安曇野側なら、もうとっくに登り始めているような時間だが、ようやくと言う感じで妙高インターで高速を降りる。そこから登山口、笹ヶ峰の駐車場までも結構長く感じられ、着いたときには8時を過ぎていた。

f0076683_1811498.jpg8時半、準備を終えた。
空は・・・・予報は良いほうに外れて青空、期待していなかっただけに嬉しい。
登山口にはやけに立派な東屋が建っていて、いかにもと言う感じの門になっている。
正面には計画書の投函ボックスが並んでいた。Yさんが記入して投函し、その門をくぐる。

先頭は最年長Nさん、最後尾はベテランOさん、後は適当と言う感じで歩き出す。立派な整備された木道が続き、大きな広葉樹の樹林の中をだらだらと登っていく。北アや八ヶ岳の針葉樹の樹林帯とはだいぶ趣が違っていて、ちょっと新鮮な気分。若い人がトップだと、付いていくのがやっとの早いペースのことが少なくないが、そこは中高年登山隊、傾斜がゆるいこともあり、適当におしゃべりを挿みながら快適なペースで進む。いつもこうだと嬉しいなぁ。
f0076683_18121973.jpgたまに途切れることもあるが、しっかりした木道が続く。途切れたところでは、元々湿気が多いのか、梅雨のさなかの所為か、ぬかっていることが多く歩きにくい。
花は・・・・咲いていたはずだが、あまり記憶がない。単独で登っている時は道の様子や花など、結構細かいことも覚えていることが多いのだが、グループ山行になると何故か、その辺りの記憶が曖昧になる。ついていけば・・・と言う気楽さからか、時間の記録を忘れたり、注意力が少々散漫になるのかもしれない。
何れにしても、あまり変化の無いままだらだらと登り、1時間ほど歩いて黒沢に掛かる橋を渡った。小休止を取る。

橋の袂では先行者たちが三々五々休んでいた。先ほどより、空は少し白っぽくなってきているが、それでも陽射しは暑い。日影を選んで腰を下ろし、まずは水分補給、小腹がすいていたので煎餅をかじりパンを食べる。すぐ傍に良く見る大振りの葉の植物が白い花をつけていた。名前を聞かれて、写真を撮って名前を調べた記憶は有る・・・・が、さて・・・名前が思い浮かばない。多分・・・曖昧だが「カニコウモリ(だったかなぁ)」・・・と答えたものの、なんとなくスッキリしない。かと言って別の名前も浮かばない。その後も何度か見たが「カニコウモリ」と言うことにしておいた。帰ってから、どうしても気になるので図鑑を引いてみた。違いました!!!正しくは「ヤグルマソウ」・・・いい加減なことを言ってしまった。これから曖昧な時は「ワカランソウ」と答えよう。

f0076683_1812488.jpg休んでいる間にも、次から次と橋を渡ってくる登山者が絶えない。結構な人の入りだ。
9時35分、さて「そろそろ行きましょうかね」と言うことで腰を上げ、再び隊列を組んで歩き出した。
道は先ほどとはうって変わり、急に勾配を増していく。橋からいくらも進まぬうちにキツイ急登になった。12曲がりといわれる難所に差し掛かったようだ。橋までの道が適当なウォーミングアップに成っていた為に、さほど息が切れるということは無かったが、さすがにお喋りしながらと言うわけには行かない。黙々と目の前の急登をこなしていく。まあ、山登りらしくなって来たとも言えて、最初は気分も良かったが、延々と続く急な登りにだんだん根気が負けてくる。「12曲がり?・・・もう12以上は曲がってるはずだぞ!!!」と思いつつ登る。
周りの樹林はいつの間にか針葉樹に変わり、だいぶ高くなってきたことを感じるが、それでも急な登りは続く。先に空が望まれると、もう少しかなと希望を抱きもう一登り、するとその先にまた小高いところが現れる。例のいつもの無限サイクルに入って根気勝負という感じ。
橋から一時間、それでも多少傾斜が緩み、倒木が丁度よいベンチになっている場所で一休みとなり、ヤレヤレといったところ。

風がなく蒸し暑い。いつものことながら、帽子は汗でビッショリ、喉を潤す水が美味い。今日は何故だかやたらと小腹がすく。昼飯のつもりのお握りを食べてしまった。本当にハードだと食欲がなくなることも多いので、気分はキツクても、体のほうはそれ程でないのかもしれない。「腹が減るなぁ」と言うと、Nさんに「元気ねぇ」と笑われた。

15分ほど休んで、再び歩き出す。
相変わらず結構な登りが続き、程なく黒沢池への分岐に出た。このあたり富士見平と言われるところで、富士山が見えるらしいが、あいにく青空はいつの間にか白く変わり、眺望はない。高谷池のほうへ進むうち、だんだん傾斜が緩くなり気分も楽になる。
深い樹林帯は抜けたようで、木も在るが笹が目立つようになってきた。笹も2種類あるようで、細い熊笹と太い根曲竹とが現れる。「根曲竹の竹の子は旨い」「どうやって食べるの」などと話をしながら歩く。
そのうち右前方に今日の宿泊地高谷池ヒュッテが見えてきた。「オオ・・・もう一息だね」キツイ部分は通り過ぎ、後は大したアップダウンもない。なんとなくもう着いたような気分で気が抜けた。それがイケなかった。遠くでは見えた小屋が近づくにつれて木に隠れ見えなくなる。いつまでたっても辿り着かない。結局“もう一息"から30分以上も歩かされ、肉体的にはともかく精神的にものすごく疲れて、12時8分、小屋に着いた時には心底ホットした。
何はともあれ、小屋の前のベンチに腰をすえて、まずは腹ごしらえ、残りのお握りとパンで空腹を満たす。
この後、火打山をピストンする予定だが、その前にテントの設営をしなければいけない。
天場は、こやから見て高谷池の右の奥のほう、池に面してなかなか雰囲気の良い場所だ。手前のほうに何張りか、既にテントが設営されていた。一番奥の少し高い所を選んで設営する。みな慣れていることもあって、2張りのテントがすぐに立ち上がる。
f0076683_18134398.jpg改めて池を見ると、そこここにハクサンコザクラやアオノツガザクラなどが咲いていて、目を楽しませてくれた。
(その2に続く)
※この写真は翌朝のもの、当日は曇っていました。
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by zukunasi_7 | 2007-07-17 18:42 |
2007年 07月 05日

イワカガミ

岩鏡 イワウメ科イワカガミ属

6月から7月ころ、少し高い山へ行くと登山道のあちらこちらでよく見かける花。
艶のある葉と、ピンクの可愛らしい花は、登りの疲れを癒してくれる。
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八ヶ岳にはコイワカガミというのも産するようだが、さて・・・この写真の花はどちらだろう。葉の鋸歯などに違いが有るようだ。多分イワカガミだと思うが、自信は無い。
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阿弥陀南稜では、2000mほどのところからポツリポツリと現れて、2700m付近までよく見られた。
吹きさらしの岩場や草原より、樹林の中のほうが居心地が良さそうに見える。
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by zukunasi_7 | 2007-07-05 18:17 | 草花
2007年 07月 05日

阿弥陀南稜

6月の末で忙しかった仕事もようやく一段落し、久しぶりの休日、直前まで予定していなかったが、どうしても山へ行きたくなった。
5月の連休以降、6月初めの美ヶ原清掃ハイキング程度でまともに山に登っていない。行先は阿弥陀岳南稜。初級バリエーションルートと言われている、いわゆる登山地図には載っていないルート。以前から興味が有って情報を集めていた。技術的にはさほど難しいところは無いが、なまった体で体力的にちょっと心配。まあ行ってみようと出かけた。

7月1日午前4時、前日まで徹夜を繰り返していたため、生活のリズムが逆転し夜中を過ぎても全く眠気が来ない。
結局一睡もしないまま予定より少し早く出かけることにし、ほのかに明るさを増しているものの、まだ暗い中車を出す。
塩尻峠を越え、岡谷の町並みを通る頃には大分明るくなっていた。直前に見た天気予報では半分晴れマークも出ていたが、空はどんよりと曇っている。
まだ通りの少ない国道20号を快調に走る。諏訪を過ぎ茅野を過ぎ、高速道路の下をくぐって少し行ったところで左に折れ、八ヶ岳のほうへ上がっていく。「しまった!!」この先にはコンビニが無さそう。あまりに快調だったので食料の調達が出来ていないのを忘れていた。戻ることも考えたが諏訪南インターの近くのコンビニまで行くことにして少し進路を変える。結局、登山口「舟山十字路」に就いたのは5時20分、それでも当初の予定より少し早い。

5時45分、舟山十字路を出発。
正面のゲートを越して舗装された林道を歩く。すぐに下山予定の御小屋尾根からの下山路が左から突き当たっていた。「ここへ降りてくるんだなぁ」と思いつつ直進する。f0076683_133581.jpg下調べでは、この先広河原橋を渡り、なお直進したところで右へ折れ、沢を渡り、対岸の山腹を立場岳への尾根に向けて登るのだが、登山地図にルートの記載は無く、二万五千分の一の地図にも林道は載っていても橋も登山道も無い。とりあえず情報を信じて道なりに歩く。20分ほど歩いたところで、しっかりとしたコンクリートの橋に出会った。広河原橋と表記がある。まずはチェックポイント通過。f0076683_142957.jpgだが、この先どの位歩いて右に折れるのか判らないのが不安。橋から数分歩いたところに右に沢へ降りるしっかりとした道があった。「これかな?」何の道標も無いので迷ったが、ちょっと近すぎるような気がしてもう少し直進してみることにする。すると、そこからまた2・3分、同じような道が右へ。そしてここには「阿弥陀岳」としっかりとした道標が立っていた。
f0076683_16199.jpg緩やかに下って沢に出る。浅い流れをバシャバシャと渡り対岸へ、踏み跡が鬱蒼とした林の中に向かって続いている。「さていよいよ・・・」とカメラを仕舞いこんだ矢先、足元に見たことの無いフウロソウが咲いているのを発見!!!「また後で」と思って記録できずじまいの花は沢山有るので、これは見逃せない。またカメラを出して数枚撮って先に進む。踏み後は暗い樹林帯に入り、すぐにすごい急登になる。急な山腹を尾根に向かって直登しているようだ。これもどこで沢を渡りどこを登っているのか、正確な位置が判らないので、「参ったなぁ・・・どのくらい続くんだろう・・・」GPSで位置を確認すれば済むのだが、足を止めるのが億劫でそのまま登っていると、10分ちょっとであっけなく尾根に乗ってしまった。f0076683_164040.jpg
視界が開けるがガスで見通しは無い。どうやら朝日小屋から昇って来る旧道と合流したようだ。とりあえず地図上で現在地がわかって安心する。
休もうかと思ったが、時計を見るとまだ40分ほどしか歩いていない。景色も見られないのでもう少し歩くことにして先に進む。尾根に乗った当初はなだらかだったが、だんだんと傾斜を増して結構キツイ登りになってきた。ガスって湿度が高くかいた汗が全く乾かない。雨は降っていないが汗でびっしょりになってしまう。それでも心配したより調子は良いようだ。いつもながら息遣いは荒いものの、順調に高度を上げている。
尾根とは言え、深い樹林帯で視界は開けない。もっとも、ガスっていてたとえ樹木が途切れても景色は全く見られない。f0076683_112623.jpgそれは残念だったが、足元に舞鶴草などが咲いていて目を楽しませてくれる。そのうちに黄色い花が目に飛び込んできた。「ヤツガタケキスミレ?」足を止めてみる。丸い葵のような葉と黄色い花、間違いない。写真を・・・・と思ったが、あまり状態が良くないので先に進む。その後もポツリポツリと木の根元・道脇などに姿を見せてくれ数も増えていく、これなら慌てて写真を撮る必要は無さそうだ。6時55分、樹林が丸く開け明るくなった、小広場のようなところで一休みすることにした。
地図を広げてみる。登り一辺倒の変化の無い樹林帯、見通しも利かないので僕の読図力では現在地が判然としない。GPSで位置を確認すると表記では2009m、地図上では2025mあたり、二万五千分の一地図の2057のポイントの少し手前にいるようだ。立場岳まではまだ後一時間くらいかかりそう、先は長い。腹は減っていないので水分だけ補給して一服。

7時10分、再び歩き始める。
カメラをどうするか迷ったが、急ではあるが一定した登り道で今までと変化が無さそうなので、肩にかけて歩くことにする。
先ほどから気になっているのは、道の右側を尾根に沿ってずっと張られている番線の柵。ところどころに「入山禁止」の札、キノコ山だのだろう。人の入りが少なく荒れの少ない山道なのだが、目障りで折角の感興を損なうこと甚だしい。親戚でキノコ山を持っている人から、松茸泥棒のひどさをよく聞かされているので、理解できないわけではないが、こんな高い所にまで・・・・なんだかなぁ・・・と思ってしまう。そんな目障りな物がある一方、足元にはコケモモ・イワカガミ・ゴゼンタチバナ・マイヅルソウ・ヤツガタケキスミレなどなど・・・・可愛い花たちが代わる代わる現れて目を楽しませてくれる。
時折立ち止まっては花を楽しみつつも、先の長さを思うとゆっくり写真を撮っている気になれず、先を急ぐ。
登り一辺倒だった道がなだらかになり、小さなアップダウンをするようになって立場岳が近いようだ。先を見透かすとそこを登れば立場岳かな?と思える。ところがそこへ行ってみるとまたその先に小高いところが見える。2.3度繰り返してイヤに成り、8時、周囲にイワカガミがいっぱい咲いている、明るい小広場で休むことにした。f0076683_113119.jpg水分を補給し、煎餅をかじりつつ、また地図とGPSて位置確認、どうやら立場岳のちょっと手前50mほどのところのようだ、そこまで行き着けなかったのがちょっと悔しい。立場岳までは二万五千分の一の地図に道の表記が有るが、その先は道が無い。次のポイントは2564mの無名峰、そこまで1時間と踏んだ。その後は今日の核心部分で厳しいところだが、1時間半くらいだろうか。現在8時、上手くすれば10時半、遅くても11時には阿弥陀に登れそうだ。そう思うと少し余裕が出てきた。
周囲にはイワカガミやミツバオウレンがさいている。写真を撮ったりしてくつろぐ。

8時17分、ちょっと休みすぎ、慌てて立ち上がり先に進む。
歩き出して2・3分で「立場岳」の表記のあるところに出会う。「さっきのところのほうが休憩適地だな」と自分を慰め先に進む。どうやらキノコ山の柵も立場岳の辺りで終わったらしく、見えなくなった。f0076683_114861.jpg少し下ってまた登り、緩やかなアップダウンを何度か繰り返すうち樹木が途切れた。視界が開けるはずだがガスで眺望はない。先は大きく下っていて、晴れていれば景色が良いだろう。下りきると様子が判ってきた。立場岳から20分ほど、どうやら「青なぎ」といわれる場所らしい。右側が大きく崩れて沢の水音が下から上がってくる。ガスでその全貌は見えないが見えたらさぞ壮観だろう。左側は草つきでロバナノヘビイチゴが群生していた。少し先が読めて余裕が出来たせいか、先ほどまで我慢していたキスミレなども写真に収める。シャクナゲも豊富で新芽が綺麗だが、花は咲いていない。どういう訳か、花芽が見当たらない。その後も注意していたが、ついに花芽を見なかった。
「青なぎ」を過ぎて、再び樹林に入る。先ほどまでの濃い樹林帯ではないが、大分背が低くなった針葉樹の間を歩く。雨は降っていないが、露を持った枝葉が体に触れてびっしょりに濡れてしまう。地図上に道は無いが、尾根の踏み後はしっかりしていて迷う心配は無さそう。先ほどまで穏やかだった道が急に傾斜をましていく。f0076683_1151438.jpg小さなピークを2つほど越えたところで時計を見ると9時5分。ちょっと疲れを感じて休むことにした。
例によって位置を確認。2564mのピークの200mほど手前、高度で後90mといったところ、予想はしていたが思うほど進んでいない。写真を撮り始めると時間を食う。歩くリズムも崩れるので疲れるのだろう。まあしかし、ここまでくれば後2時間、11時頃には着くだろうと思えた。

9時15分、まずは2564のピークを目指す。
大分険しくなってきたので、カメラはザックに仕舞って歩く。ここからの登りは少々きつかった。小ピークを越えていくが、アップダウンが結構有って疲れる。それだけでなく、可愛い花が次から次と現れる。まずはハクサンイチゲ、そしてハクサンチドリ、カメラを出したり入れたり、なかなかはかどらない。そうこうしているうちに2564のピークはどこか判らぬままに越えてしまったようだ。いつの間にか樹林帯を抜け這松の間を歩くようになっていた。f0076683_1154727.jpg
どのくらい歩いたか判らぬが、時計を見ると既に10時15分、一休み入れる。あまり歩いていないことは判っていたが、先がそう長くないこともあって地図は見なかった。
10時半、再び歩き出す。しかし花が沢山咲いていて遅々として先に進まない。
ハクサンイチゲ・イワカガミ・チシマアマナ・イワベンケイ・イワウメ・クロユリ・ミヤマキンバイ・クモマナズナ・ミヤマシオガマ・等々・・・
次から次と現れる花たちと遊びながら写真に撮っていく。ガスの中で露に濡れた花たちが美しい。晴れた日も良いが、この花たちの風情もまた良いものだ。しばし時間を忘れた。

そうして、今日の核心部、P3ガリーの取り付け部分に行きついたのは11時15分。
なんと2564のピーク手前からここまで、水平距離で5~6百メートル、高度差150mほどに、2時間もかけてしまった。腹積もりではもう山頂に立っていなければいけない時間、このままでは昼までに山頂に立てるかどうか判らない。山頂からの降りは3時間ほどと見積もっているので、まださほど慌てるような時間ではないが、それでも少しあせる。
しかし、ここがルート最大の難所。ガリーの取り付きにトラバースしなければならい。P3の山腹を巻いた道とガリーとの間、2~3mほどだろうか、ロープがフィックスしてある物の、下はすとんとキレ落ちた、濡れて滑りそうな垂直の岩場だ。カメラを仕舞い、心を引き締めて立ち上がる。

11時20分フィックスロープに手をかけた。
足場は、小さなイワの凹凸でしかない。靴のコバを岩に掛ける。見た目よりも滑らずしっかりと足が掛かった。一歩二歩、カニのように横に這いながら足を出し、ガリー下端のスタンスに乗る。ホッとすると同時に心臓がドキドキするが、安心してはいけない。f0076683_1164434.jpgそこからさらに一段上がって一安心。振り向けば足場はしっかりとしているが、その下は奈落の底。落ちたら、まあ生きてはいられまい。最大の難所は通過したものの両側は切り立った岩尾根、じめじめと水の流れる薄暗い樋の底、落石でもあれば避けようが無い。相変わらずロープが設置してあるが、それには頼らず登る。いかにもつるつる滑りそうな岩の色だが、案外としっかりホールドできて安定している。登るごとに両側が開けてきて次第に斜度も緩やかになり、花が咲く草つきとなって核心部は終わった。10分?15分?過ぎてしまえばちょっとあっけない感じで、それでも随分と緊張していたのだろう、時計を見るのを忘れていた。そこからは極普通の岩場を登る。緊張が解けたせいか、急に腹が減ってきた。ちょっと足元がふらつきシャリバテ気味。最後の力を振り絞り、ほぼ12時丁度、阿弥陀岳山頂に立った。

山頂には、多分赤岳からの縦走で、途中で荷物をデポして登ってきた6・7人のグループがいた。今日であった初めての人たちに、少し人懐かしさを覚える。相変わらずのガスで、周囲は全く見えない。f0076683_1172086.jpg
腹が減っているので早々に腹ごしらえ、と言ってもろくな物は持ってきていない。煎餅2~3枚を食べ、お湯を沸かして茶を入れる。パンを買ってくれば良かったと思ったものの後の祭り、いつも残してしまうことが多いので、買わなかったのだ。かわりに取って置きのミックスフルーツのパックを開けて口に入れた。甘酸っぱい味が口に広がりシロップの最後まですすった。あたたかいお茶を飲んで人心地、周囲は見えず陽射しはないが、風も無いので寒いことは無い。のんびりと足を伸ばして、のんびりした気分を味わった。
そうしている間にも、中山方面からポツリポツリと登ってきては降りていく人たちがいる。

12時45分、登ってきたのは良いが、また降りなければ登山は終わらない。いつまでも浸って入られずに腰を上げる。
下りのルートは御小屋尾根、下り始めてすぐ、ちょっとした岩のピークを乗越し、後は一気の急下降・・・なのだが、この下り初めがいやらしい。
急坂なのでロープが張ってあるが、足元が岩土混じりのグズグズな状態でいやらしい。一歩足を下ろすごとに不安定な浮いた岩屑が転げだそうとする。自分が滑り転ぶ不安より、落石を起こしそうで恐い。相当に気を使って、慎重に足を置いたつもりだが、それでも石が転げだす。大概は数メートル転がって止まるが、一つだけ勢いがついて転がりだし、他の石を巻き込みつつ、かんかんと音を立てて落ちていった。慌てて「ラクーーー」と叫ぶ。先行者との間に15分以上の時間差が有るのは判っていたが、上ってくる人がいないとは限らない、冷や汗をかいた。
今の時期、雪が溶けたばかりで特に不安定な時期かもしれないが、夏場このルートは二度と通りたくない。自分が落すのは嫌だし、落ちてきた石に当たるのも嫌だ。結構長い時間変な緊張を強いられた。花も南稜に比べると種類も数も少ないように感じる。f0076683_1201231.jpg
素敵な雰囲気の部分も有るが、ちょっと八つ当たり気味ながら、僕にとって御小屋尾根は印象が良くない。

山行記というのは、どうも下山になると手抜き気味で、はしょってしまうことが多い。今回もご多分に漏れずそのパターン。
2度ほどの休憩を挟んで丁度3時間、3時45分に舟山十字路に戻りついた。
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by zukunasi_7 | 2007-07-05 01:23 |